染色堅牢度試験
紡績品の染色堅牢度とは、染色加工された紡績品のさまざまな外部要因(製造工程、その後の使用および保管中等)に対する色の耐性になります。試験片の変退色と添付白布の汚染により染色堅牢度等級を評価します。紡績品の染色堅牢度試験は、紡績品の品質測定の一般検査になります。
本試験室の主な染色堅牢度試験項目は以下のとおりになります。
染色堅牢度試験一覧表
番号 | 試験分類 | 試験標準 | 原理 |
1 | 汗に対する染色堅牢度 | GB/T 3922-2013 JIS L 0848-2004 | 染色加工された紡績品の汗液に対する染色堅牢度を測定すること。 紡績品試験片と規定の添付白布で作られた複合試験片を人工汗液(酸性汗液とアルカリ性汗液)に浸漬し、恒温恒圧で一定時間処理してから乾燥し、グレースケールで試験片の変退色と汚染について別々に判定する。 |
2 | 水に対する染色堅牢度 | GB/T5713-2013 JIS L 0846-2004 | 染色加工された紡績品の水に対する染色堅牢度を測定すること。 紡績品試験片と規定の添付白布で作られた複合試験片を水に浸漬し、恒温恒圧で一定時間処理してから乾燥し、グレースケールで試験片の変退色と汚染について別々に判定する。 |
3 | 洗濯に対する染色堅牢度 | GB/T 3921-2008 JIS L 0844-2011 | 染色加工された紡績品の洗濯に対する染色堅牢度を測定すること。 紡績品試験片と規定の添付白布で作られた複合試験片を合成洗剤溶液または石鹸溶液にて洗濯し、すすぎ、乾燥する。グレースケールで試験片の変退色と汚染について別々に判定する。 |
4 | 摩擦に対する染色堅牢度 | GB/T 3920-2008 JIS L 0849-2013 | 染色加工された紡績品の摩擦に対する染色堅牢度を測定すること。 摩擦試験機を用いて指定方法で試験片を摩擦用白綿布で摩擦し、乾燥試験と湿潤試験を含み、グレースケールで摩擦用白綿布の汚染について判定する。 |
5 | 光に対する染色堅牢度 | GB/T 8427-2008 JIS L 0842-2004 | 染色加工された紡績品の人工光に対する染色堅牢度を測定すること。 試験片をブルースケールとともに規定の条件に基づいて人工光源に露光する。試験片とブルースケールとの変退色を比較判定する。 |
6 | 光及び汗の複合作用に対する染色堅牢度 | GB/T 14576-2009 JIS L 0888-2018 | 染色加工された紡績品が汗に浸漬された後に露光に対する染色堅牢度を測定すること。 試験片を人工汗液で処理した後、耐光試験機を用いて、ブルースケールとともに規定の条件で露光する。試験片を取り出し、グレースケールで試験片の変退色を判定する。 |
7 | 唾液に対する染色堅牢度 | GB/T 18886-2002 | ベビー用の染色加工された紡績品が唾液に対する染色堅牢度を測定すること。 紡績品試験片と規定の添付白布で作られた複合試験片を人工唾液に浸漬し、恒温恒圧で一定時間処理してから乾燥し、グレースケールで試験片の変退色と汚染について別々に判定する。 |
8 | 塩素処理水に対する染色堅牢度 | JIS L0884-1996 | 染色加工された紡績品の塩素処理水に対する染色堅牢度を測定すること。 試験片を規定の次亜塩素酸ナトリウム溶液を用い試験機操作し、ろ紙で余分な溶液を吸収乾燥し、グレースケールで試験片の変退色を判定する |
9 | 昇華に対する染色堅牢度 | JIS L0854-2013 | 染色加工された紡績品が保存中に昇華に対する染色堅牢度を測定すること。 紡績品試験片と規定の添付白布で作られた複合試験片を紡績品試験片を恒温恒圧で一定時間処理し、グレースケールで試験片の変退色と汚染について別々に判定する。 |
11 | イエローイング | ISO 105-X18:2007-09-01 | 酸化窒素とフェノール類化合物で紡績品表面の黄変を評価すること。 フェノールを含めた試験紙で試験片を包み、ガラス板2枚の間に挟んで複合試験片とする。一定の圧力をかけてからポリエチレンフィルムに包んで恒温乾燥機に入れ、規定の温度で一定時間乾燥し、恒温乾燥機から取り出し、冷却してポリエチレンフィルムを開封し、コントロール布と試験片を取り出し、試験片の変退色を迅速に判定する。 |
12 | 色泣き(色滲みに対する染色堅牢度) | 大丸法 | 濡れた状態で染料移動による汚染を測定すること。 試験片の一端を色泣き溶液に入れ、規定の時間を経て試験片を取り出し、乾燥する。グレースケールで試験片の汚染程度を判定する。 |